★薬歴の書き方】⑥C
最後の項目では次回の服薬指導につなげる内容を記載します。
次回の服薬指導時に前回Cを確認しその内容を踏まえた服薬指導を
実施することで「継続的な薬学的管理」を行うことが出来ます。
●C:次回の服薬指導計画/確認事項
SOAP内容を踏まえて次回の服薬指導の計画を立てます。
◎確認事項
→処方追加/変更後
▲効果チェック
▲副作用チェック
▲服用状況チェック
▲理解度チェック
→処方中止後
▲病態変化チェック
→残薬の持参依頼/医師への調整依頼
▲残薬の持参の有無チェック
▲処方内容への反映チェック
→検査結果(次回結果が出る場合
▲肝機能/腎機能チェック
▲医師からの説明/生活指導チェック
→一包化開始後の服用状況
▲服用状況改善の有無チェック
▲管理状況チェック
★次回の受診予定日の計算方法と評価(アセスメント)方法
次回の受診予定日および残薬日数を記載することで服薬状況を推測することが出来ます。
予定通り通院しているか、残薬の有無、残薬の服用状況を把握することで
薬歴の前後をつなげる 「継続的な薬学的管理」が可能になります。
★次回の受診予定日の計算方法①
・まずは計算はじめとして30日処方から計算を開始する場合を考えます。
★次回の受診予定日の計算方法②
・次に2回目の通院時の計算を考えます。
2回目以降では受診の間隔に注意する必要があります
◆予定より早期の通院パターン
この場合では6日程度の残薬があり余裕を持って通院していることがわかります。
この場合は受診予定日から3日服用していない、まばらに飲み忘れがあるなどの
服用状況が推測されます。
・次に2回目以降通院が長期にわたる場合を考えます。
通常多くの薬歴を記載する定期患者はこの考えで継続的に計算を行います。
通院間隔より様々な状況が推測できます。
◆予定より受診遅れがないパターン
この場合はおおむね余裕を持って受診し服用状況も安定していると推測できますが、
早期受診を繰り返しあまりに残薬数が多くなってくる場合は過剰服用や
認知機能低下によるのみ間違えや管理不備による紛失などを想定し対応する必要が
生じてくるため要注意です。
◆予定より受診遅れを繰り返すパターン
この場合は計算上わかりやすく服用状況が悪い状態と推測されます。
飲み忘れが生じやすかったり通院が中々出来ず遅れてしまい服用できていない期間が
生じてしまっているなどが推測されます。
また(-30日)など極端に間が開いた場合などは入院した可能性や他の薬局を利用した可能性
など不測の要因も推測されヒアリングが必要になります。このような受診間隔からの評価は
服薬指導ごとに継続的に記録をしていなければ把握することはできません。
◆見かけ上誤った評価をしやすいパターン
2回目→3回目だけでみると(-6日)通院の遅れがあり服用状況が悪いと
間違った評価をしてしまいます。実際には2回目時点での残薬+6日分を
服用後に3回目受診となるためほぼ問題はありません。
継続的な管理が出来ていないと3回目時の服薬指導で患者へ誤った指摘や
指導を行ってしまう可能性があり注意が必要です。
★記載時/服薬指導時のポイント(C)次回の受診予定日
●上記の計算方法はあくまで通院日から推測されるものです。
実際の残薬数/服用状況は患者へヒアリングを行いしなければ確定は出来ません。
定期的な服用状況のヒアリングを怠らないよう注意が必要です。
●予約制の医療機関では受診間隔から計算上のズレが生じないため、
実際の残薬/服薬状況を把握することが難しくなります。
計算上、受診間隔が安定しているからといってヒアリングを
怠らないように注意が必要です。
●複数科に通院している場合は継続的な記録が途絶えないように
すべての医療機関、科目の受診予定日 を更新し引き継いで記載して行きます。
複数科にまたがって通院している患者の薬歴は特に複雑になりやすいので
チェックポイントを見逃さないように注意しましょう。
●使用中だが処方箋記載のない薬剤記録
・残薬があるため処方箋から記載がなくなってしまった薬剤についても記録をつけ
定期的に使用状況を把握する必要があります。
使用状況や処方頻度については表書きにも記載する必要があります。
特に点眼剤などは感染症のリスクもあるため開封いつまでも古いものを
使用していないか確認する必要があります。
→過剰の残薬のため処方をとめた薬剤(
→ 使用頻度の低い頓薬(ニトロペン、睡眠薬など)
→ 使用頻度の低い外用薬(インドメタシン外用液、など)
→使用状況が悪いため余ってしまった薬剤(アドエア、テルビナフィンクリームなど)
→次回再燃時の使用のため予備的に処方された薬剤(ビダラビン軟膏など)
0 件のコメント:
コメントを投稿