★薬歴の書き方:【A】
●用法用量の確認/評価(アセスメント)
●評価(アセスメント)評価の方法とタイミング
現在服用している処方が過剰もしくは過少投与となっていないか
そのヒアリング時期にも注意し評価を行います。
◎新規開始時
→開始量として適切か
→現在把握している服用薬との相互作用上の問題はないか
◎追加増量時
→最大量を超過していないか
→漸増の間隔は問題ないか
→ 年齢や肝,腎機能より過剰となっていないか
◎中止/減量時
→中止の可否判断、漸減する必要はないか
→漸減の間隔に問題はないか
◎検査値を把握した時
→肝,腎機能より最大量を超過していないか
→肝,腎機能より禁忌に該当しないかどうか
→薬効が十分出ているか
(効果判定、特に追加漸増後は必ずチェック)
→副作用が出ていないか
(腎機能障害、肝機能障害など)
◎併用薬を把握/再確認したとき
→相互作用上の問題はないか
→同効薬の重複はないか
→治療の重複はないか
→相互作用上の問題はないか
→同効薬の重複はないか
→治療の重複はないか
◎年齢、体重、表面積換算の計算が必要が必要な薬剤
→過少あるいは過剰となっていないか
→処方の単位はあっているか(製剤量/力価)
→過少あるいは過剰となっていないか
→処方の単位はあっているか(製剤量/力価)
●評価(アセスメント)の記載時の注意
●記載は具体的にする必要があります。
特に小児に対する散剤やシロップ剤などの年齢によって用量・用法の異なる薬剤や
抗がん剤など体重(体表面積)用量換算が必要な薬剤はチェックしていることが必ず
わかるように記載する必要があります。
【記載例】
◆小児科処方の場合
年齢:2歳8ヶ月/体重:12kg
年齢体重より用法用量に問題のないことを確認
アジスロマイシンDS:10mg/kg
(特定の薬剤について評価する場合は薬剤名+mg/kg記載)
●評価(アセスメント)の記載方法
◎新規開始時
→「今回追加のA薬併用可、開始用量も問題なし」
→「今回追加のA薬、併用禁忌のため疑義照会を実施
A薬よりB薬へ変更となる。B薬は併用可。」など
→「年齢◆◆◆才/体重:◆◆◆kg、年齢体重より用量に問題なし」
◎追加増量時
→「今回A薬は増量可、肝/腎機能的にも問題なし」
→「今回A薬は増量可だが、肝/腎機能的にやや過量のおそれあり要注意」
→「今回A薬は増量すでに最大量のため疑義照会を実施
用量について医師の了承/指示を確認のうえ調剤」など
◎検査値を把握した時
→「現在の服用薬は肝/腎機能的にも問題なし」
→「現在の服用薬は肝/腎機能的に過量のおそれあり要注意」
→「現在の服用薬は肝/腎機能的に禁忌に該当するため
疑義照会を実施、削除or減量or代替薬へ変更 」
→「検査値A前回より低下あり確認、C薬開始より効果あり」
→「検査値A前回よりと変わらずやや高値、C薬は継続の必要あり」
→「肝機能/腎機能ともに変化は見られず、副作用も見られず。」
→「検査値、肝腎機能に問題なく服用継続可」 など
◎併用薬を把握/再確認したとき
→「確認併用薬(A病院)は併用可」
→「同効薬の重複あり◆◆◆の必要あり」
→「同疾患に対し治療の重複あり◆◆◆の必要あり」
→「確認併用薬(A病院)は併用可」
→「同効薬の重複あり◆◆◆の必要あり」
→「同疾患に対し治療の重複あり◆◆◆の必要あり」
(◆◆◆=疑義照会、情報提供などの対応)
◎年齢、体重、体重表面積換算の計算が必要が必要な薬剤
→小児科「年齢◆◆◆才/体重:◆◆◆kg、年齢体重より用量に問題なし」
→「体表面、投与量を確認、初回投与量として問題ないことを確認」
→「体表面、投与量を確認、初回投与量として問題ないことを確認」
A➡C:新規開始/増量時は次回,評価(アセスメント)を実施するように
C(申し送り)へ次回の服薬指導計画を記載してください。
★記載時/服薬指導時のポイント(A)
●普段より自分以外の薬剤師が読んだときに理解できる内容になっているか注意する必要があります。通常は1人の患者に対し複数の薬剤師がかかわることになります。他の薬剤師に自分が行った評価(アセスメント)/服薬指導の根拠を理解してもらえるような記述が必要です。自分だけわかればよい書き方になっていないか注意してください。
●効果、副作用の確認/評価(アセスメント)
●評価(アセスメント)評価の方法とタイミング
薬剤の効果が出ているか、副作用が出ていないかチェックを行います。
◎初回開始後/追加増量後
→変更後の体調変化の確認を実施
→変更後の検査状況/検査値の確認を実施
◎Do処方,長期継続時
→定期的な体調変化の確認
(2~6か月、季節毎、検査時など適切な時期に)
→年齢や肝,腎機能より過剰となっていないか
●評価(アセスメント)の記載方法
評価は用法用量と同様に具体的に記載する必要があります。
◎初回開始後/追加増量後
→「追加/増量後に体調変化なし副作用は見られず継続は問題なし」
→「追加/増量後に効果あり確認:検査値◆◆◆→◆◆◆」
→「追加/増量後に◆◆◆あり副作用のおそれあり」
◎Do処方,長期継続時
→「副作用なし確認:◆◆◆なし」
●評価(アセスメント)の対応
◎副作用発現時の対応
▲緊急性が認められる場合
→疑義照会による中止/減量/代替薬の提案実施
▲緊急性が薄い場合
→トレーシングレポートなどの情報提供の実施
(中止/減量/代替薬の提案実施)
A➡P:対応/指導内容はPへ記載★記載時/服薬指導時のポイント(A)
●副作用の確認を行った際は具体的な症状まで記載するようにしてください。
単に「副作用なし」だけではどの薬剤のどういった症状のチェックを行ったのかを
読み取ることが出来ません。
同様に服薬指導時にも具体的に症状をヒアリングする必要があります。
【記載例】
①副作用なし確認:眠気/尿閉なし
クロルフェニラミン追加による副作用は見られず
②副作用なし確認:低血糖なし
グリメピリド追加後の副作用は見られず
動機や冷や汗なしチェック
●服用状況/残薬の確認/評価(アセスメント)
●評価(アセスメント)評価の方法とタイミング
適切に服用が出来ているかチェックを行います
◎残薬による服薬状況チェック
▲長期Do処方が続く時
→定期的に残薬をチェックしその増減をを把握
▲処方に変更がある時
→今までの定期薬と新規薬のズレ(残薬)をチェック
◎通院状況による残薬チェック
▲通院間隔よりおおよその服用状況を推測
詳しい計算方法はCの項で解説しています。
A➡P:CP不良に対する服薬指導はPへ記載。
★記載時/服薬指導時のポイント(A)
●他と同じく残薬についても具体的な記載が必要です
聞き取った残薬数はわかる範囲で記載してください。
●評価(アセスメント)の記載方法
評価も同様に具体的に記載する必要があります。
◎服用状況/残薬
→「残薬なし、服用状況は問題なし」
→「残薬あり、服用状況に問題あり」
→ 「通院遅れあり、服用状況に問題あり」
→「CP不良により効果が不十分な可能性あり要注意」
→「A剤追加により残薬のズレあり要注意」
A➡P:CP不良に対する服薬指導はPへ記載。 。
●評価(アセスメント)結果への対応 A➡P
服用状況の評価(アセスメント)結果に対し対応を考え服薬指導を実施します。
対案はAへ実施内容はPへ記載します。
◎薬剤の効果判定に際し効果が不十分な場合
→コンプライアンス不良が要因となっていないか検討する
ΘCP不良の時は薬剤の変更や増量をしても効果のないケースがあります。
薬剤師的には薬そのものが効果がないのかどうか
服用状況が悪いため効果が出ていないのかを考慮する必要があります。
◎コンプライアンス不良の場合
→ CP不良の要因を分析する
Δ用法がライフスタイルと合っていない
→医師へ適切な用法へ疑義照会により変更を依頼する
→用法が少なくなるように変更を依頼する
Δ患者要因を探る
→ 自己判断で調節して服用していないか確認
→聞き取り対話により不安要因を解消する
(飲み合わせや副作用に対する不安,家族知人からの介入など)
Δ 剤形が飲みにくくないか確認(サイズ、風味など)
→飲みやすい剤形へ変更を依頼する
→一包化や粉砕など検討
Δ認知症の進行/発症がないか確認
Δ剤数が多く管理が困難になっている
→一包化や粉砕など検討
◎残薬が多数ある場合→ 残薬調整の実施
→残薬を持参してもらい服用状況を確認(ブラウンバッグ配布)
A➡P:CP不良に対する服薬指導はPへ記載。
A➡O/P:残薬調整を実施した場合はO/Pへ記載
●他科受診/併用薬/OTC健康食品や嗜好品の確認/評価(アセスメント)
●評価(アセスメント)評価の方法とタイミング
必要に応じてチェックを行います。
他科受診/併用薬や常用するOTCやサプリ健康食品は表書きへも併記します。
◎処方内容に変更があった場合
→処方箋内の飲み合わせだけでなく
他科よりの併用薬、OTC等の確認を行います。
併用の可否、相互作用上の問題点などを
Δ他科受診を医師に伝えているか確認
医師に併用/他科受診を伝えていない場合
必要に応じて患者より同意を得て医療機関へ情報提供を実施する。
◎長期Do処方で変更がない場合
→定期的6か月~1年程度ごとに確認を行います。
知らないうちに他科受診が発生している場合に注意が必要です。
●評価(アセスメント)の記載方法
評価は具体的に記載する必要があります。
◎他科受診/併用薬/OTCなどを把握した場合
→「併用薬/OTCあり確認
現在の処方内容との併用は問題なし」
→「併用薬/OTCあり確認
同効薬/治療に重複ありxxxの必要あり」
(xxx=疑義照会、情報提供などの対応)
★記載時/服薬指導時のポイント(A)
Δ確認を行い併用薬などがなかった場合もないことを確認した旨を
記載する必要があります。
Δ把握している併用薬等に変更があった場合
その変更内容が現在服用中の薬剤や病態に影響がないかチェックが必要です
(例)
他の医療機関にて浮腫や高血圧の治療開始あり
現在、服用中のツムラ68芍薬甘草湯による副作用の可能性あり
ツムラ処方元へ継続の可否の(疑義照会)の必要あり実施~(以下省略)
●検査の有無/結果の確認/評価(アセスメント)
●評価(アセスメント)の方法
検査値に基づく薬学的評価を行います。
結果確認時には医師から患者への結果説明も聞き取りを行います。
●検査の実施に対して
ハイリスク薬など定期的な検査が実施されているか
チェックが必要な薬剤もあります。
定期的な検査が行われているか検査値だけでなく
定期検査の時期、有無も併せて記載する必要があります。
検査間隔が不明瞭な場合はこまめに聞き取りを行う必要があります。
A➡表書き:定期検査の有無、時期
●検査結果に対して
→前回結果との比較、変化
効果アセスメントのため検査値は単回の数値だけでなく
経過を追うことにより判断します。
→新規/追加薬剤に対する初期値
上記同様に経過比較を行うため
治療開始時の検査値は特に把握しておく必要があります。
→検査値に基づくの判断
・用量の適否など処方継続の可否判断
・効果アセスメント
・副作用発現の有無
●評価(アセスメント)の記載方法
●検査の実施に対して
→「定期検査の実施あり確認」
●検査結果に対して
→ 「検査結果の持参あり。
検査表より特に数値の異常は見られず
前回結果とも大きく変化なし」 など
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