★薬歴の書き方:【P】
●指導内容:薬効・用法の説明
・初回投与時や変更時には薬効用法の説明を必ず実施します。
その際には病態への服用の意義なども合わせて説明を行い、
アドヒアランスやコンプライアンスの向上につながるよう指導を行います。
その際には病態への服用の意義なども合わせて説明を行い、
アドヒアランスやコンプライアンスの向上につながるよう指導を行います。
→医薬品名/薬効/用法/用量など基本的な記載通りの説明
→何のために必要なのか服用意義の説明
→薬効の発現時期の説明
→飲み忘れ時の対応など不測の事態へのフォロー説明
→食品やOTC/サプリ/健康食品などとの飲み合わせの説明
→保管方法など取り扱いに対する説明
P➡C「次回の服薬指導計画:服用状況の再確認」
P➡C「次回の服薬指導計画:病識/薬識の再確認」
前回の内容を踏まえて次回にフォローが出来るように記載します。
すべての事項を一気呵成にまくし立てても患者の理解を得ることは困難です。
段階をおって重要な事項から説明し少しずつフォローしていくことも大切です。
(本当に大事な注意などは指導箋を作成し交付しましょう)
●指導内容:副作用
・症状の説明だけでなく下記の事項も併せて説明を行います。
→副作用の症状についての説明
→副作用の予測される発現時期
→副作用が生じた場合の対応
Δ中止や受診勧告だけでなく薬局あるいは主治医へ対応の指示を仰ぐかどうか
抗凝固薬では血栓リスクを考慮し自己判断で中止しないよう指導するなど
・長期Do継続であれば時期をみて定期的に副作用症状の有無をチェックします。
・初回投与や追加増量時は必ず次回フォローチェックを行います。
P➡C:Cへ記載「次回の服薬指導計画:開始後の副作用チェック」
P➡C:Cへ記載「次回の服薬指導計画:増量後の副作用チェック」
P➡C:Cへ記載「次回の服薬指導計画:副作用に対する理解度チェック」
P➡C:Cへ記載「次回の服薬指導計画:ブドウ糖の携帯状況チェック」(糖尿病)
P➡C:Cへ記載「次回の服薬指導計画:ニトロペンの携帯状況チェック」(狭心症)
特に低血糖や狭心症など自己対応の即応性が必要となる疾患の場合などは
本人が対応可能か理解度を評価する必要があります。
●指導内容:残薬への対応
・聞き取りなどで得た残薬状況より対応を実施します。
残薬状況や処方内容など様々な場合に合わせ対応を行います。
【残薬調整の方法とタイミング】
残薬の調整にはいくつかのパターンがあります
〇疑義照会によりその場で日数を調整を行う方法
〇指導後に医療機関へ情報提供を行い次回に調整を行ってもらう方法
〇次回、患者より診察時に伝えてもらう方法
残薬数の程度や処方内容によっても対応が変わってきます
◎残薬あり:長期Do処方の場合
Δ残薬:相当数ある場合
→過剰な分を残薬調整を行います。
Δ残薬:数日分とわずかな場合
→ある程度は残余に余裕はあったほうがよいで調整は行いません。
聞き取りを行った時点での残薬数をを記録しておき、
定期的に聞き取りを行い残余の増減から服用状況を評価します。
◎残薬あり :処方に変更が生じた場合
今までの残薬と新規薬と数にズレが生じるパターンです。
処方変更時は残薬を把握する良い機会です。
残薬の有無について確認し対応しましょう。
Δ緊急性がある場合
→すぐに新規処方への服用に切り替えてもらいます。
Δ緊急性が薄い場合
→残薬が数日分の場合はある分を飲んでから切り替えてもらいます。
残薬が相当数ある場合は次回の持参を依頼して残薬を確認のうえ、
残薬調整を実施します。(ブラウンバッグ配布など)
・上記のように残薬があるからと言って必ず調整し
次回の通院まできっちり日数を揃える必要ないと考えます。
あまりに細かく頻回な調整は医療機関にも業務上の負担となってしまいます。
災害等の通院困難時に備え7~10日程度の残薬の余裕は許容範囲と考えます。
・また調整後に間をおいて服用状況のチェックをすることによって
服用状況を評価(アセスメント)することが出来ます。
例えば残薬調整し残薬ゼロとなった3か月後に30日分の残薬があれば
3日に1回以上のかなりの頻度で服用が出来ていないと推測することが出来ます。
P➡C:Cへ記載「次回の服薬指導計画:主治医による残薬調整をチェック」
P➡C:Cへ記載「次回の服薬指導計画:残薬の持参依頼、次回持参チェック」P➡C:Cへ記載「次回の服薬指導計画:残薬調整後の服用状況をチェック」
【残薬調整時の情報提供】
・その場での疑義照会により日数を調整するだけではなく
なぜ服用できていないのか主治医への情報提供を実施することが大切です。
場当たり的に調整を繰り返していても根本的な改善につながらないケースもあります。
◎服用できていない理由と改善案
→ライフスタイルと用法が合わない:用法変更の依頼
→ 錠剤や散薬が飲みにくい:剤形変更の依頼
→剤数や服用回数が多い:薬剤の変更/用法の変更/一包化の依頼
→認知機能の低下がある:認知症の診断鑑別の依頼/一包化の依頼
・情報提供を実施した場合
実施した旨とその内容(要点)を記載してます。
●指導内容:長期投与/長期連休(盆休みや年末年始)時の注意
・救急にかかる際には服用薬が分かるように手帳の持参を指導します。
この際、服用している薬によって医療機関の対応が変わる場合があることなど
特に手帳などを用いて服用薬を伝える重要性を伝えることが大切です。
連休は救急などかかりつけ以外の医療機関へかかるリスクが高い時期ですが
患者にお薬手帳の活用方法や意義の理解を深める良い機会でもあります。
P➡C:Cへ記載「次回の服薬指導計画:長期連休中の経過チェック」
●指導内容:その他
・様々ケースに合わせた対応/指導を行います
記録が必要な情報は表書きにも併記してください。
→お薬手帳に関する指導(他科受診の際の持参など)
→お薬手帳に関する指導(他科受診の際の持参など)
→調剤形態に対する説明/記録
Δ初めて一包化へ色線を引く場合など
→患者よりの相談/疑問に対する回答
→配布物の記録(指導箋や吸入補助器具の交付など)
Δ指導箋の交付
Δブドウ糖(固)10g×10個
Δ吸入補助器具の添付
→持参率の悪い患者/不要な患者へのお薬手帳に対する指導
Δ持参を習慣づけるような促し
Δお薬手帳持参に対する意義の再説明
P➡表書き:「●一包化:色線対応あり【循環器:赤】」
P➡表書き:「●ブドウ糖(個)お渡し-R4.5」
P➡表書き:「●吸入薬には補助器具が必要/握力弱く要注意」
P➡表書き:「●お薬手帳不要-R4.5確認」
お薬手帳が不要な患者でも定期的に要不要を再確認し
必要性の指導を行っていないと個別指導で指摘される可能性が
あるので最終確認日まで記載が必要です。
★記載時/服薬指導時のポイント(P)
続き⇒ ★薬歴の書き方【基礎編】⑥
●Pには実際に行った内容を記載します。
まれにAやPの区分が不明瞭で実施にした内容なのかアセスメントの
Pに対してアセスメント内容も記載したり実施した内容を把握することが
難しい記載がされているケースがあります。
評価(アセスメント)と指導内容は明確に分けて記載する必要があります。
その評価(アセスメント)や指導内容によって次回指導時のフォロー内容が
変わってくるためです。
●指導内容は具体的に記載してください。
曖昧な記述は避ける必要があります。
【記載例】
×「副作用に注意してください」
〇「×××という症状に注意してください
症状があれば××××の対応を~(略)」
上記のようにどのような副作用に注意が必要なのか
また具体的な注意/対応を指導し記載する必要があります。
●意味のない記載や不適当な記載はしない
・骨粗しょう症の薬に対して「継続した服用で症状コントロールを」など
安易にコントロールという曖昧な単語を使用せず、病態、薬効に合わせた
指導を行う必要があります。
・長期do処方の患者へ「様子をみてください」も避けてください。
経過をみる必要があるときのみだけそのように指導し記載しましょう。
個別指導では何の経過を、いつまでみるのかと指導される場合があります。
薬剤や病態に合わせ治療内容を考慮した指導を行いましょう。
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